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iPad Proについて考える

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Appleファンとしての目覚め

スティーブ・ジョブズの訃報から時を待たずして、多くの記事が書かれ書籍が出版された。そんなゴリ押しをされてしまったら伝記の一つも読んでしまうし、製品も買ってしまう。そうして私はAppleファンになった。元々iPodくらいしか持っていなかったが一転、スマホはiPhoneになりパソコンはMacbook Air、勢いでiPad Airも購入した。

どの商品も生活を少なからず変えてしまうような製品で、特にMacbook Airは革命的だった。元々PCは古いノートPCとデスクトップの2台を持っていた。普段使いのデスクトップがDELL製でOSはWindows7。まあこれも買った時はそれなりの衝撃を伴っていたはずだが、それでもMacbook Airは何もかもが良く見えた。良さは色々あるがトラックパッド操作が尋常じゃなく快適で、画面は小さいはずなのに煩わしさはまったく感じないことの驚きと言ったら。軽いから外に持ち出すのも苦じゃない。買ったモデルが古くなって色々ガタが来ても結局最新モデルに買い換えてしまうほどファンだ。

そんな体験をしてしまったらやはりそれを期待してしまう。ことAppleには。

iPad Pro発表

先日のAppleの新製品発表でiPad Proが発表された。iPad2つが入る画面サイズですんごい精度のペンとかキーボードのカバーがついたりするんだそう。私はリアルタイムでその発表を見れなかったのだが、これを聞いた時は素直に「何に使うの?」と思った。

察するに消費する機器としてのiPadから創造する機器としてのiPadへ転身するのではと想像に難くない。いままでのiPadでも色々クリエイティブな作業に使う人は居た。しかしそういうことに向いている機器だったかと言われれば怪しい。多くの人はネットサーフィンや動画閲覧、あるいはゲームに使っていたのではないだろうか。そんな状態だったからiPad時代から私は思っていた。「タブレットは何に使うの?スマホとPCで事足りることが多すぎない?」

とはいえ結果としてiPad Airを使ってみたら電子書籍の漫画を読むには最適だし、ちょっと動画を流してたいときにもよく使う。スマホとPCの中間であることが役立つのだ。このように、使う前はイメージがわかなくても実際手にしてみると便利なものだということはままあること。今回のiPad Proもそういうことかなあと予想はしている。

素人ながらに考えてみると、タブレット強化の背景にはそもそもPCを所有する人が減少しているということが挙げられる。PCが家に無ければ、今までのiPadより色々出来るiPad Proは物足りなかったユーザーにとっての朗報と言えるだろう。またPCのようにも使いたいしタブレットのようにも使いたいユーザーにも刺さる製品だ。私も外出時iPadかMacBook Air、どちらを持ち出すか迷いがちである。多くの場合MacBook Airさえあれば間違いないのでそうなるが、どちらの機能も持ち合わせていれば悩む必要もないと言える。

Apple Pencilってどうなの

それにしても伝記を読んだ影響かジョブズ原理主義が首をもたげてくる。すなわち「ペンなんて要らねえだろ」である。記憶違いでなければジョブズは「ペンはいらない。指で操作するべき」みたいな主張をしていたはず。ジョブズ原理主義からすれば当然、ApplePencilはゴミに思えるだろう。とはいえ、よくよくジョブズのことを思えば割と主張をぐるっと変えちゃうところもあったし、何より、今のAppleがジョブズの影に怯えながら開発する必要などないのだからこれは的外れな疑問かもしれない。

そういった主義的思考を排除してApplePencilはどうだろうか。私は電池内蔵式のスタイラスペンを持っているのだがこれが使いにくい。ペンとタッチパネルの相性ではなく、問題はアプリとの相性なのだ。あるアプリではズレもほとんど無いけど、こっちで使ってみると実用に耐えないみたいなことがざらにある。ApplePencilではその問題をどう対処するつもりなのだろうか。Apple純正アプリではきっとうまくいくだろうが、他社のそれではうまく動くのか不安ではある。まあ数ある様々なスタイラスペンにチューニングするのとApplePencilに焦点をあわせた調整をするのではまた違った話なので杞憂かもしれない。

もしこの辺りがうまくいくのなら私がiPadでやりたかった使い方がある。それはMicrosoftのOne Noteを使って、キーボードタイプした文字列に手書きで記号なんかをくっつけてノートをとるということ。例えば紙のノートをとるときに普通に書き写したりする分には手書きするよりもタイピングした方が速い。しかし「ここ矢印引っ張りたいなあ」などの自由な記述をするには手書きが良い。これらの良いとこどりをする書き方をしてみたいのである。精度やペン先の細さ、手を画面に置いて書けることなど課題はあるが、もしクリアできた日にはそれは革新的な製品になることだろう。

※この文章を書いたあとにKeynoteを覗いてみたが、かなり期待させるような映像だ。とはいえAppleの演出過剰は言うまでもない。

終わりに

お茶を濁すような締め方をするようだが、どんな製品も使ってみるまでは評価できない。とはいっても10万弱する製品で良いかどうかもわからないものに中々手は出ない。間違いなくありとあらゆるメディアが使用感について教えてくれる。検討するのはそれからでも遅くない。だって別にいますぐ要らないでしょ?