「有頂天家族 二代目の帰朝」を読んだ
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2016.09.20 追記
アニメ「有頂天家族」の続編が制作決定したようですね!
1期のアニメもかなり良かったので、期待せざるを得ません。
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森見登美彦著、有頂天家族シリーズ三部作の二作目にあたる、
「有頂天家族 二代目の帰朝」を読み終わった。
なんというか出てくるキャラが一人一人憎めない。
味があって、悪役であっても嫌いになれないような気がする。
そんな中で一番好きな登場人物を挙げろと言われたなら私は、
下鴨矢二郎を挙げたい。
彼は、狸界のトップである偽右衛門であった下鴨総一朗の次男で、
わけあって蛙の姿のまま井戸に籠もっている。
感情的ではなくやわらかな物腰、世捨て人的風格、
しかし心の奥では葛藤を抱える彼が好きだ。
言うまでもなく、今回も物語の一端を担っている。
ぜひ一読していただきたい。
他にも夷川海星が頑なに姿を見せない理由なんてのもわかるので、
一作目を読んだ方、もしくはアニメを見た方なんかは読んで損は無いと思う。
それにしても森見氏は作品同士に妙な関連性をもたせるのが好きというか、
仮に同じ人や物でないとしても名称を同一化しているので、
作品を読めば読むほど、複雑に入り組んだ森見的京都観が膨らんでいくように思える。
次の作品にも期待したい。