これを読んだらコーヒーが飲みたくなる(寺田寅彦著「コーヒー哲学序説」)
今やコンビニでお手軽に飲めたり、サードウェーブだなんだと流行っているコーヒー。
今回はそんなコーヒーを愛していることが伝わる本を紹介します。
それが寺田寅彦著「コーヒー哲学序説」です。
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昔のコーヒー事情
冒頭にも話したように、今ではコーヒーは非常に身近な飲み物になっています。しかし昔はまったく違っていました。著者によるとコーヒーは薬としての牛乳を飲みやすくするために使われていたそうです。そんなピンポイントでサブな役割というのも驚きですが、そもそも牛乳が飲みにくいとされていたことも驚きです。
彼は牛乳に使われたコーヒーをきっかけに、まったく魅了されてしまうのでした。
非常に個人的な話をすると、僕は1日に1リットルくらい牛乳を消費します。ブレンディを使ってカフェオレにするのがもはや習慣になっているのです。最近は少し老いたのか胃もたれがすごいのに飲み続けてしまうのはコーヒーのせいでしょうか。違いますね。癖ですね。
雰囲気も味わう
コーヒーの味はコーヒーによって呼び出される幻想曲の味であって、それを呼び出すためにはやはり適当な伴奏もしくは前奏が必要であるらしい。
最近はスターバックスに代表されるカフェーが溢れています。それも現代的な雰囲気で嫌いじゃないんですが、そんな時代だからこそ純喫茶的な雰囲気には惹かれるものがあります。
京都に住んでいた学生時代、そんな憧れをもってとあるお店に入ったことがあります。ほぼ1000円近いコーヒーを頼んで古本を読むという、かなり自分に酔ったスタイルです。しかしそんなスタイルによりそうBGMは常連客の井戸端会議!まあそれも、乙なもの…なんですかね?
コーヒーは哲学
芸術でも哲学でも宗教でも、それが人間の人間としての顕在的実践的な活動の原動力としてはたらくときにはじめて現実的の意義があり価値があるのではないかと思うが、そういう意味から言えば自分にとってはマーブルの卓上におかれた一杯のコーヒーは自分のための哲学であり宗教であり芸術であると言ってもいいかもしれない。
コーヒーはコーヒーですよ寺田先生。
彼にここまで熱く語らせるコーヒーという飲み物の魔力を感じます。この本は頭から終わりにいたるまで、コーヒーへの愛で綴られていると言っていいでしょう。コーヒー好きはもちろん、コーヒー嫌いもうっかり飲みたくなるような熱のある文章です。
これも7ページほどです。短いものばかり紹介して恐縮ですが良い作品なので、ぜひどうぞ。