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まあ、そうなるな(江戸川乱歩著「算盤が恋を語る話」)

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ストーリー

ある企業の会計係であるTさんが、自分の助手であるSさんに恋をする話です。Tさんはひどく内気、今風に言うならコミュ障なので、Sさんに口頭や手紙では想いを伝えられません。そんなTさんがなるべく傷つかないために編み出したのが、算盤を使った暗号でした。はじめは気付かなかったSさんも、連日机にある算盤の形にようやく気付いて……

 

言い忘れましたが、一応ネタバレするので11Pしかない短編読んで下さい。

 

算盤が恋をするのかと思った

タイトルをパッと見たとき、まず思い浮かんだのは算盤が恋をする話。きっと算盤の視点でモノローグ多目で、恋が語られるんだろうなと一瞬でも想像した人は僕と同じです。

実際はTさんが算盤に恋を語らせる話です。序盤ですでに暗号であることはお察しなんですが、Sさんよく気づけたな……(舞台設定で事務所の人たちは察せることが明示されてはいますが)

それにしても、算盤が恋をする話も読んでみたかったですね。

 

まあ、そうなるな

暗号が通じてから、デートに誘ったTさん。Sさんの机にあった算盤には暗号で「ゆきます」とありましたがSさん来ませんでしたね。

結局のところSさんはTさんに気がなかったという話なんですが、そりゃ仕事の話しかしないコミュ障の上司から急に算盤で好きだのデートだと言われたら、嬉しいというより怖いですよね。

女性のみなさんは経験あるかもしれませんが、話したこともないよねって人に急に告白されるアレです。まあ、そうなるな。

 

とにもかくにも、短編でさくっと読めるのでお暇な際にどうぞ。