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ニートはいてもいい!(内田魯庵著「文明国には必ず智識ある高等遊民あり」)

どうも、ジョンです!

青空文庫にて内田魯庵著「文明的には必ず智識ある高等遊民あり」を読みました。下手するとブログより短い文章なので、みなさんもご一読ください。

 

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内田魯庵 文明国には必ず智識ある高等遊民あり(XHTML)

文明国には必ず智識ある高等遊民あり(Kindle)

 

 

遊民はいてもいい

遊民とは、

職につかず遊び暮らしている人。

ゆうみん【遊民】の意味 - goo国語辞書

≒ニートってことです。

定義によっては、色んな意味を持つ言葉ですがこの本ではニート、無職のような意味で使われていると思います。

 

遊民の多きを亡国の兆ちょうだなどゝ苦労するのは大きな間違いだ。文明の進んだ富める国には、必ず此の遊民がある。是れ太平の祥であると云って何も遊民を喜ぶのではない。あっても決して差支えないと言うのである。 

ニートを肯定も否定もしないスタンス好きです。まあ家計レベルには差し支えるわけですが、国家には遊民があっても問題ないと内田魯庵は主張します。

 

同じ遊民なら高等遊民がいい

この高等遊民という言葉にも色々定義があるようですが、ここでは知識のある遊民のことを指します。なぜ高等な方が良いのでしょうか。

智識ある高等遊民のあるのは其の国の文明として喜んで好い

遊民はどの時代、どんな国にもいますが、遊民が高等であるということは国が文明的である証明になるからなのです。つまり同じニートでも色々知っているニートは国の水準が高い証明なんですね。役には立ちませんが。

 

高等遊民を怖れるな

一般の階級の人間の智識程度を高めるには、一般の人間が高等の智識を受け入れることが出来るような設備が必要である。高等遊民が出来ることを恐れて教育の手加減をするなどは愚の極だ。

内田魯庵が言いたかったのは結局こういうこと。おそらくこの時代には「教育に力なんぞいれてたら高等遊民が増える!」という論調があったのでしょう。

この主張をせんがため「遊民はいるものだし、いてもいい」「下等より高等の方がいい」という旨をまず伝えていたようです。

 

いまの日本を見てみると、誰にでも公平に知識を手に入れられる設備、図書館があります。それに普通に販売されている本だって、知識の価値に比べたら安価。さらにネット環境は非常に簡単に知識を得られる場所になっています。

いまはまさに高等遊民ができる、言い方をかえれば遊民ですら知識を持てる時代なんですね。

であるにも関わらず、むしろ遊民以外は仕事に追われ知識を仕入れる時間が減っているように感じます。働いている人こそ知識をもって豊かになるべきだと思うのですが……

 

筆者が高等かどうかはさておき定義上遊民の一人ですので、忙しい人に知識を提供できるくらいの高等遊民を目指し精進したいと思います。結論それでいいのか?まあわかりませんが、なんにせよ知識を仕入れるのは楽しいことですよね!それでは!