【GWのお供に】星野源エッセイ集「そして生活はつづく」感想
どうも、ジョンです!
GW期間ではありますが、自分にとってはTwitterのタイムラインに人が多いかどうかくらいの差しかありません。と思っていたのですが、Kindle本のGWセールがあったので、深夜テンションでいくつか買いました。
そのなかの一つ、星野源さん(以下敬称略)のエッセイである「そして生活はつづく」を読みましたので感想です。
「そして生活はつづく」の概要
著者である星野源は、いまや説明するまでもない有名人ですね。ミュージシャンであり俳優であり、文章も書いているらしく多芸。
最近ではドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で主演を務め、その主題歌である「恋」とその振り付けである「恋ダンス」が大流行しました。
この「そして生活はつづく」は、星野源初のエッセイ集で2009年9月に出版されています。雑誌連載のエッセイをまとめた本になっていて、2013年1月の文庫化に際して書き下ろされたエッセイも収録されています。
現在KindleストアではGW文春祭りと題して、文春文庫など3,300点を対象にセールを行っており、「そして生活はつづく」はその一環で50%ポイント還元が行われています。実質309円ですね。5月4日までのセールなので購入される方はお早めに。
星野源の変人っぷりがわかる
深夜一気に読んで思ったのは「これは他人に勧められないなあ」でした。
というのもこのエッセイ、別に文章が優れているわけでもないし、おそらくためにもならない。個人的にはただただ変なことが書かれているエッセイで、その変っぷりで成立している本だと感じます。
たとえば一発目の「支払いはつづく」というエッセイは、乱暴に言うと星野源が携帯料金をまともに支払えないという話。「箸選びはつづく」というエッセイは、なんとなく使い続けてた箸への愛着とか、実はそんな愛着もなかったとかいう話。
こういった正直どうでもいいんじゃないかというエッセイを読んでいくうちに、なんとなく星野源とはどういう人なのかがおぼろげに見えてきます。表舞台でキラキラした照明を浴びているときには感じられない変人さというか、ちょっと言い方は悪いけれども社会不適合さが立ち上ってくるのです。
一応言っておきますが、悪口じゃないですよ。エッセイ中でも書かれていることですが、こういう変な部分が仕事になる、そういう人なんです。
星野源もためになることを言う
僕がまず線を引いたのはここ。詳しくは言いませんが女性のブラジャーに関わる任務をしなきゃいけないんだけど、うだうだしてた場面。
実質、十秒で任務を終えた。速いなあ。今までふてくされてた二時間はなんだったんだろう。
あ、ある〜〜〜!!!結局あーだこーだ言って先延ばしするより、さっさと終えたほうが遥かに有意義な時間を過ごせるパターンのやつ!
昔の人は言いました。案ずるより産むが易し。
でも案じちゃうよね、にんげんだもの。
次に線を引いたのは、自分と向き合ったらどんどん落ち込んでしまうから、自分探しではなく自分なくしをしなきゃいけないというところ。
自殺のニュースを見たりすると、「ああ、なるはやで自分をなくしたかったんだなあ」と、どうにも切ない気持ちになる。できれば自分は、なるべく楽しくておもしろくて、仕事にもなって、やりがいのある自分なくしがしたい。 そのためには、枝雀さんが言ったように、自分のことばかりではなく、なるべく人のことを考えるのが、いちばんの近道だろう。自分のことばかり気にしていたら「自分なくし」なんてとうてい無理な話だ。
ミハイ・チクセントミハイという早口言葉みたいな名前の心理学者がいて、フロー研究の第一人者なんです。フローというのはスポーツではゾーンと呼ばれたりする超集中状態のこと。
幸福というのは実は、人生のうちでこのフロー状態にどれだけなれるかっていう説があるんですね。フローというのはいわば没我ですから、まさに自分なくしということ。的を射てる考えだなと感心しました。
他には
たとえば私がいま何をしていても気持ちよく、健康で、お金もあって、不自由なことなど一つもない暮らしをしているのならば、表現なんてしなくても全然いい。
という文章。たしか不満や不調は自分の仕事につながっているから、無くしてはいけないみたいなところだったと記憶しています。そういえばマツコ・デラックスさんも「満たされてしまったら、仕事ができなくなる」みたいなことを言っていた気がします。
僕は「表現なんて縁遠いものだな」と感じて線を引いたわけですが、こうやってブログを書き続けているところ=表現しているのを見ると、案外身近なのかもしれませんね。
星野源のファンや星野源が気になる人は読むべき!
実はこの本めちゃくちゃレビューが良いんですよ。ただはっきり言ってインスタントなわかりやすい面白みはないです。
ただ星野源という人をもっと知りたい、少なくとも彼に興味があるという人は読んでみると面白いんじゃないでしょうか。
また自分とは違った視点をくれるので、何か「生活」のヒントになるかもしれません。
僕は万人におすすめできるエッセイだとは思いませんが、少なくとも暇なら読んでみれば?くらいには言えると思っています。実際帯にも「トイレか旅のお供にどうぞ」とありますしね!GWのお供にいかがです?
それでは!