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流されるだけじゃ幸せになれない(夏目漱石著「私の個人主義」)

千円札の肖像画といえばすっかり野口英世が浸透してますよね。ただやはり夏目漱石の印象が強いという方も多いんじゃないでしょうか。

さてそんな夏目漱石著「私の個人主義を今回読みました。

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夏目漱石 私の個人主義青空文庫

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夏目漱石は意外とろくでなし?

この本は夏目漱石学習院大学における講演になっています。

ところがそのはじめの内容がひどい。要約すると「だるかったから講演の内容考えてないわ。お前らも俺みたいなやつを呼んで面白がってるんだろ?」という話から入るんですから。

(前略)それだのに私みたようなものを、ことさらによそから連れて来て、講演を聴こうとなされるのは、ちょうど先刻お話したお大名が目黒の秋刀魚を賞翫したようなもので、つまりは珍しいから、一口食ってみようという料簡じゃないかと推察されるのです。

その後結局なりたいわけでもないけどお金がいるから就職したり、留学もやりたいことがないのに勧められるがまま行くなどしているのです。

そう考えると思ったよりろくでなしかもしれないですね。

 

いまもふらふらしている身としては、説教に対する反論のすべを一つもらったかのような心持ちです。

夏目漱石もふらふらしてたんだ!むしろふらふらしたほうが立派になれるんだぞ!」とね。少し飛躍しすぎでしょうか。いやだいぶだな。

 

幸せになりたいなら自分本位になれ

ふらふらとロンドンに留学した漱石。しかしそこではたと気付くのです。他人本位でふらふらしていたからぼんやりしていたのだと。

私はこの自己本位という言葉を自分の手に握ってから大変強くなりました。彼ら何者ぞやと気慨が出ました。今まで茫然と自失していた私に、ここに立って、この道からこう行かなければならないと指図をしてくれたものは実にこの自我本位の四字なのであります。

 

思うのですがニーチェしかりジョブズしかりに共通するのが自分本位ではないでしょうか。つまるところ自分の頭で考え自分の価値基準を持って行動することが、何よりも重要なことであることはまず間違いないと言えます。

ならわがままに、傍若無人に振る舞ってればいいのでしょうか。

 

個人主義は自己中じゃない

タイトルにある私の個人主義について、漱石自身がまとめてくれています。

第一に自己の個性の発展を仕遂げようと思うならば、同時に他人の個性も尊重しなければならないという事。第二に自己の所有している権力を使用しようと思うならば、それに附随している義務というものを心得なければならないという事。第三に自己の金力を示そうと願うなら、それに伴う責任を重じなければならないという事。つまりこの三カ条に帰着するのであります。

僕たちがまず何よりも重視しなければならないのは一番ですね。個人主義は他人や国、世界を尊重することと反しません。 詳しい理由は読んで頂けばわかります。

 

そうですよね。わかります。「え、お前がそれ言うー……?」みたいなのありますよね。ほら、政治家とかほぼそれですもん。あれ、この例えなんか違うな……ま、気にしないでおきましょう。

 

大事なのはあなたの頭で考えることですから!(丸投げ)