技術の発展と精神の停滞
近年、IT技術は飛躍的な発展を遂げた。
それは私たちの生活を豊かにするものではあるものの、
常に正の効果ばかりもたらすとは限らない。
SNSは、特に若年世代において、登録していない人の方が珍しいように思う。
Twitter、Facebookは言うまでもなく、様々に形を変えてSNSは広がっている。
そうなってくると、今までなかなか連絡の取れなかった人とも容易に繋がれる。
また、本来知り合えなかった人とも知り合える。
SNSによって私たちの人間関係はより密接につながったと言える。
しかし、そのつながりこそが正の側面であり、負の側面でもある。
私たちは常に、誰かに見られ、誰かを見ている。
かつての人々が得ていた孤独や静寂は、すでに得難いものとなった。
なぜなら、今まで何をすることなしにもたらされていたそれらを、私たちは意識的に手に入れようと努力しなければならないからだ。
技術の進歩に、人間の精神はまったく追い付いていないと言っても良い。
いまだに、「狩りをしていた名残で」みたいなものがまとわりついている精神が、
ここ最近の発展についていけるとは到底思えない。
私たちが、技術に使われるような、支配されるようなことがあっていいのだろうか。
現代に生きるには、いかに技術を使わないようにするかが求められるだろう。